入試直前の中3の授業は、時間の使い方がすべてです。残り3か月でできることは限られていて、しかも生徒の状態はバラバラ——だからこそ、やることよりも先にやらないことを決めるのが直前期の設計になります。
この記事では、12月〜2月の英語授業を「毎時間の帯」「週回しの柱」「やらないこと」の3層でまとめます。
まず、やらないことを3つ決める
- 新しい文法の深掘りはしない。仮定法・間接疑問の指導が終わっていれば、文法の新規入力は終了。以降は総点検(後述)に切り替えます
- 長文を「全訳」しない。入試の長文は全部を訳す時間がありません。訳読の練習は本番と別の競技です
- 全員一律の課題を増やさない。直前期こそ、生徒によって足りないものが違います。診断→自分の穴に取り組む形へ
毎時間の帯(5分×毎日)——3種ローテーション
直前期の帯活動は入試形式に寄せた3本をローテーションします。どれも帯活動ネタ20選の型のまま、素材を入試レベルに上げるだけです。
- 語順ビルド・スピード——整序問題は毎日1本。比較・現在完了・後置修飾の語順は、直前期は音の反復がいちばん効きます
- スキャン・レース——「探し読み」の目。設問先読み→本文から根拠を探す動きを3分で毎日
- 3分クイックライト——条件英作文の土台。書き出しの速さは直前期でも伸びます
週回しの柱①——文法は「まちがい診療所」で総点検
文法の総復習を解説からやり直す時間はありません。おすすめは、誤りの診断から入る方法です。当サイトの定着ドリルは全20枚が「まちがい診療所」(正誤混在の診断問題+なぜ間違いかを書く)を含むので、1枚15分で「どの誤りが残っているか」を生徒自身が特定できます。
入試での配点が大きい順に、点検の推奨順序は——
- 現在完了——yesterday系との併用ミス、for/since
- 関係代名詞・分詞——後置修飾の語順と動詞の一致
- 不定詞・動名詞——相棒の使い分け
- 受け身——be動詞の一致と過去分詞
- 間接疑問・仮定法——最新単元ほど点検が手薄になりがち
各ガイドの「つまずき3つと直し方」が、そのまま点検の観点リストになります。
週回しの柱②——長文は「骨探し」のトレーニング
入試長文で差がつくのは、後置修飾のかたまりを1つの名詞として読めるかです。The boy (running over there) is Ken. の( )を飛ばして骨を見る——この訓練は分詞の教え方ガイドで扱っている「骨探し」がそのまま使えます。週1回、過去問の1段落だけを使い、説明のかたまりに括弧を付けさせてから設問に入る。読解スピードは訳す速さではなく、骨を見つける速さで決まります。
読んだ後の要約1文(サマリー・ピラミッドの最小版)を付けると、内容一致問題の正答率が伸びます。
週回しの柱③——条件英作文は「型」を固定する
都道府県によらず、条件英作文は「意見+理由+具体例」の3文型でほぼ戦えます。I think 〜. / I have two reasons. / For example, 〜. の型を固定し、お題だけ変えて週2本。この型は接続詞の教え方ガイドの「理由つきおすすめカード」で練習してきた形の入試版です。
採点は全文添削をやめ、条件チェック(条件を満たしたか)と1か所朱入れに絞ると、教師側も直前期の添削地獄を回避できます。
3か月のざっくり日程
| 時期 | 授業の重心 | 家庭学習の指示 |
|---|---|---|
| 12月 | 文法総点検(診療所5枚)+語順帯 | 単語・熟語の総回し |
| 1月 | 長文の骨探し+リスニング毎日 | 過去問を時間を計って週1年分 |
| 2月 | 条件英作文の型+過去問の解き直し | 間違えた問題の「なぜ」ノート |
リスニングは1月から毎授業の頭に1問(過去問音源)を固定します。耳は毎日触れた日数に比例します。
よくある質問
学力差が大きく、全員で同じ過去問を解けません。
過去問は「全員同時に同じ年度」をやめ、診療所の結果で入口を分けます。基礎が残っている生徒は文法点検の続き、仕上がっている生徒は過去問——同じ時間に別のことをやる勇気が、直前期はそのまま得点になります。
入試に出ない(と思われる)教科書の最終単元はどうしますか?
3学期の新出は教科書間の差が大きい部分です。単元マップで自校の教科書を確認し、入試範囲と重なる部分(仮定法・間接疑問など)は総点検に統合、それ以外は卒業後を見据えた読み物として軽く扱う、が現実解です。
直前期の定期テスト(学年末)はどう作りますか?
入試形式に寄せた総まとめ型がおすすめです。当サイトの中3学年末テストは仮定法・間接疑問+3年間の総まとめを、卒業前のふり返りという場面で測る設計になっています。3学期の授業との一貫性は学年末の英語授業まとめも参考にどうぞ。