毎年、春休みのうちに来年度の準備をしようと思いながら、部活と年度末の事務、新年度の会議であっという間に終わってしまいます。4月は激務で、結局いつも自転車操業のまま1年が始まります。春休みに絞ってやるなら、何を仕込んでおくのが一番効きますか。(中2担当・部活主顧問)
全部はできない。4月の自分を助けるものだけ
最初に認めてしまいましょう。春休みに使える正味の時間は、よくて2〜3日です。年間計画を全部作るのは無理ですし、やる必要もありません。基準はただ1つ、「4月の自分がいちばん苦しい瞬間に効くか」です。4月の苦しさの正体は、学級開き・提出物の山・名前を覚える負荷が重なるところに、授業準備が毎日締め切りとして乗ってくることです。だから仕込むべきは授業のストック、それも最初の2週間分に集中させます。
優先順位つきの仕込みリスト
1番は、4月最初の2週間分の授業を「完成品」にしておくことです。10コマ分の略案とワークシートを印刷までして、クリアファイルに日付順で入れておく。中身は凝らなくていい——初回のオリエンテーション、自己紹介の帯活動、前学年の復習、教科書Unit 1の導入。これがあるだけで、4月の放課後を授業準備ゼロで学級事務に使えます。
2番は、帯活動の年間セットです。授業の最初の10分を回す活動(Small Talk・並べ替えの帯・音読タイムトライアルなど)を3〜4種類決めて、ルールと素材だけ作っておく。帯活動は一度仕組み化すれば1年間毎日効くので、時間対効果が全仕込みの中でいちばん高い投資です。
3番は、評価の設計を1枚にしておくことです。観点ごとに何の材料で評価するかを決めた「評価の1枚」を作っておくと、最初の授業で生徒に地図を配れるうえ、学期末の成績処理と保護者への説明が一気に楽になります。テストの回数と時期もここで仮置きしておくと、行事とぶつかってから慌てずに済みます。
4番は、教材の棚卸しです。今年作ったプリント類を「来年も使う・直せば使う・捨てる」に仕分けて、使うものだけ単元別のフォルダに移す。凝った整理システムは要りません。探せる状態にさえなっていれば、来年度の自分が過去の自分に助けられます。
「やらないこと」も決めておく
逆に、春休みにやらないほうがいいのは、年間指導計画の細部を埋める作業です。4月に生徒の実態を見れば必ず書き直すことになるので、春の時点では単元の並びと評価の時期という骨組みだけで十分です。同じ理由で、2学期以降の教材づくりも先送りで構いません。仕込みは「確実に来る未来」にだけ行う——4月最初の2週間は確実に来ますが、11月の授業の形はまだ誰にも分かりません。
2日でやる、が現実解
まとめると、春休みの仕込みは「最初の2週間の授業を完成品に」「帯活動を仕組み化」「評価の1枚」「教材の棚卸し」の4つ、優先順位もこの順です。1日目に授業ストックと帯活動、2日目に評価と棚卸し。ここまでやれたら、残りの春休みは休んでください。休養も来年度の準備のうち——4月を走り切る体力は、春休みにしか仕込めません。