英語教材ラボ
授業運営公開 2026-07-03・更新 2026-07-03

ペア活動で話さない生徒がいます。活動を止めるべきでしょうか?

「話しなさい」と言っても動かないのは意欲の問題ではなく設計の問題かもしれません。沈黙するペアを動かす4つの設計変更と、それでも話さない子への個別の一手を紹介します。

ペア活動を取り入れていますが、毎回2〜3組は一言も話さずに終わります。「英語で話してみよう」と声をかけても気まずそうに笑うだけ。活動をやめて一斉授業に戻すべきか悩んでいます。(中2担当・教職3年目)

結論: やめなくていい。ただし「話さないと成立しない設計」に変える

話さないペアの大半は、話したくないのではなく、話さなくても困らないだけです。声かけで動かそうとするより、活動の構造を変えるほうが早く、しかも全ペアに効きます。

設計変更1: 情報の差をつくる

2人が同じプリントを持っていたら、話す必然性はゼロです。AとBで持っている情報が違う(Aは地図、Bは行き先リスト等)インフォメーション・ギャップの形にすると、話さなければタスクが終わりません。既存のプリントでも、半分を黒塗りしてA用B用に分けるだけで変わります。

設計変更2: 終わりの形を決める

「話し合いましょう」は終わりが見えないので着手されません。「2人のサインがそろったら教師に報告に来る」「3問一致したらハイタッチ」のように、達成の瞬間を目に見える形にします。ゴールが具体的なほど、スタートのハードルは下がります。

設計変更3: 話す内容を選ばせない

自由度は上級者向けの贅沢品です。話すのが苦手なペアには、文フレームと選択肢(質問はシートの3つから選ぶ、答えは指差しでもOK)を渡します。「何を言うか」の負荷を消して、「言う」ことだけに集中させます。

設計変更4: 聞き手に仕事を与える

話し手ばかり設計して、聞き手が暇な活動は沈黙します。聞いた内容をメモする欄、リアクション表現カード(Nice! / Me too! / Really?)、あとで第三者に報告するタスク——聞き手に「聞く理由」があると、ペアは自然に回り始めます。

それでも話さない子には

構造を変えても動かない生徒が1〜2人残ることがあります。その場合は活動中に教師がペアの「3人目」として入り、教師→その子→相方の三角形で1往復だけ成功させてください。「一度言えた」事実が次回の心理的ハードルを下げます。人前で話すこと自体に強い不安がある生徒には、書いたものを相手に見せる参加形態を認める配慮も有効です。

沈黙は生徒からの「この活動、話さなくても終わるよ」というフィードバックです。設計で応えましょう。

関連するお悩み

授業運営2026-07-05 更新
英語で授業をと言われるが指示が伝わらず結局日本語に戻ってしまう——100%を目指さず続けるコツ。教室の英語を絞って固定する、ジェスチャーと視覚で訳さず支える、込み入った説明は日本語でよいと線引きする。
授業運営2026-07-05 更新
新出文法を黒板で説明して問題を解かせて終わり——受け身の導入から抜け出すには。ルールを言う前に例文を浴びせて気づかせる、意味のある文脈で使わせる、導入と定着を分ける。活動的な文法導入の作り方。