新しい文法を教えるとき、黒板で例文とルールを説明し、教科書の問題を解かせて終わり、という授業になりがちです。生徒は板書を写すだけで受け身。文法の導入をもっと活動的にしたいのですが、どう組み立てればいいでしょうか。(中2担当)
文法は「説明してから使わせる」より「使いながら気づかせる」
導入が説明だけになるのは、ルールを先に配ってしまうからです。順番を変えて、まず同じ形の英文をたっぷり聞かせ・読ませ、生徒が「なんだか同じ形が続くな」と気づいたところでルールを言語化する。この「気づいてから確かめる」流れにすると、生徒は受け身の写経から抜けます。自分で見つけたルールは忘れにくいからです。
対策1: ルールを言う前に、例文を浴びせる
新出文法を含む英文を、意味のある内容で何度も聞かせます。教師の自己開示ネタが便利です。
- 「昨日の私」を過去形だらけで語る、「できること」を can だらけで語る
- 黒板に例文を残していき、「今日は同じ形が何回出た?」と問う
- 生徒が形に気づいたところで、はじめてルールを板書する
先に意味と量、あとからルール。この順番が導入を能動的にします。
対策2: 最初の一歩を「自分のこと」で言わせる
気づいた形を、すぐ自分の内容で使わせます。ドリルの穴埋めより先に、意味のある一文を作る場を置きます。
- 過去形なら「昨日したこと」、比較なら「自分と兄の身長」
- ペアで1文ずつ言い合う(間違えてよい、まず言う)
- 正確さの指導はこの後。まずは使ってみる回数を稼ぐ
対策3: 導入と定着を欲張って1時間に詰めない
導入の時間で完璧を求めると、説明が長くなります。導入は「気づく・使ってみる」まで。反復して固めるのは、次の時間の帯や定着プリントに逃がします。
- 導入=出会いと気づき、定着=反復と正確さ、と役割を分ける
- 定着は毎時間の最初の5〜10分の帯で回す
- 1時間で仕上げようとしないことが、導入を軽くする
導入の成功は、その後の定着で決まる
活動的な導入をしても、次の時間に反復がなければ形は流れていきます。導入で気づかせ、定着プリントや帯で固め、活用の場で使わせる。この三段構えがそろって、はじめて「使える文法」になります。当サイトには全20文法の導入記事と、それぞれとペアになる定着ドリルを用意しています。導入だけを抱え込まず、定着とセットで設計してみてください。