ALTとのティームティーチング(TT)の授業で、役割分担がうまくいきません。気づけば私がずっと進行し、ALTは発音のリピートと丸つけだけ。二人で立っている意味がある授業になっていない気がします。かといって全部を細かく打ち合わせる時間もありません。(中1担当)
結論: 分担が決まらないのは、ALTを「発音要員」に固定しているから
TTがぎこちないのは相性の問題ではありません。多くは、JTE(日本人教師=あなた)が全部を仕切り、ALTに「発音とリピート」しか役割を渡していないことが原因です。ALTの本当の強みは、生の英語での「やりとりの相手」になれること。役割を型で決め、その強みが出る場面を意図的に作れば、2人で教える価値が生まれます。
3つの役割分担パターンを持っておく
毎回ゼロから考えず、3つの型から選ぶだけにします。
- モデル提示型: 新しい表現を、JTEとALTの会話で実演。生徒は「本物のやりとり」を先に見る(Small Talk・対話文の導入に最適)
- 机間分担型: 活動中、教室を左右で分けて2人で回る。個別に話しかけられる回数が2倍になる(ペアワーク・ライティング中)
- 情報差型: JTEとALTが違う情報を持ち、生徒が英語で聞き出す(インタビュー活動・Who am I? クイズ)
「今日はどの型か」を1つ選ぶだけで、立ち位置と役割が決まります。
5分の打ち合わせで決める「最低限の3つ」
長い指導案を共有する時間はなくて当然です。授業前の5分(または前日のメモ)で、次の3点だけすり合わせます。
- 今日のゴール(生徒が何を言えるようになるか)を1文で
- ALTに任せる場面はどこか(上の3つの型のどれか)
- ALTに話してほしいトピック(先生の週末・出身地の食べ物など、具体的に1つ)
「自由に手伝って」が一番動きにくい指示です。トピックまで具体的に渡すと、ALTは準備でき、授業も締まります。
ALTの強みが出る場面を意図的に空ける
発音とリピートは、実はJTEでもできます。ALTにしかできないのは、生徒の英語に自然に反応し、会話を続ける相手になること。ここを空けておきます。
- 生徒の発表に、決まり文句でなく本物の反応(Oh, really? Tell me more.)を返してもらう
- 日本語で説明したくなる場面を、あえてALTのやさしい英語での言い換えに任せる
- 文化の話(自国の学校・行事)を5分もらう——教科書にない生の情報は生徒に刺さる
二人だから、生徒の発話が増える
TTのゴールは、役割をきれいに分けること自体ではなく、2人いることで生徒が英語に触れ・話す量が増えることです。モデルを見せる、机間を分ける、情報差で話させる——どの型も、ねらいは生徒の発話機会を増やすこと。ALTを「もう一人の先生」として動かせたとき、TTは倍以上の力になります。まずは次の授業で、3つの型のどれか1つを意図的に入れてみてください。