英語教材ラボ

教科書本文の活用術④:リテリング指導の段階表(支援を1段ずつ外す)

リテリング(本文の内容を自分の言葉で語り直す)を「いきなりやらせて撃沈」させないための段階表。日本語→絵→キーワード→無支援と支援を1段ずつ外し、丸暗記でも棒読みでもない再生を育てます。

対応: ONE WORLD 全単元対応中3)/文法: 総合・復習/公開 2026-07-04・更新 2026-07-04

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リテリング(本文の内容を自分の言葉で語り直す活動)は、うまくいけば読解の総仕上げになりますが、いきなりやらせると「本文の丸暗記」か「沈黙」に終わります。カギは、支援を1段ずつ外していく段階設計です。この記事は、日本語メモ→絵→キーワード→無支援という支援の外し方を段階表にまとめ、丸暗記でも棒読みでもないリテリングの育て方を解説します。

この方法で解決できる悩み

  • リテリングをやらせると、本文の丸暗記か沈黙になる
  • 支援をどう与え、どう外していくか設計できない
  • 「自分の言葉で」と言っても、生徒が何をすればいいか分からない

リテリングとは、そして「なぜ効く」か

リテリングは、読んだ本文を閉じて、内容を自分の言葉で語り直す活動です。読解が「わかった」で止まらず、内容を再構成して産出するため、読む力・話す力・書く力が同時に育ちます。ただし負荷が高いので、支援なしでいきなりは無理。支援の量を「多い→少ない」に設計することが成否を分けます。

支援を外す4段階

同じ本文を、支援を減らしながら複数回リテリングさせます。

段階支援生徒の負荷ねらい
ステップ1日本語メモを見て英語で内容の流れをつかむ
ステップ2絵・図(挿絵や自作の4コマ)を見て中低語順を自力で組む
ステップ3キーワード3〜5語だけ見て中高表現を自分で選ぶ
ステップ4何も見ずに自分の言葉で再構成

全員が同じ日にステップ4まで行く必要はありません。 苦手な生徒はステップ2で「言えた」を、得意な生徒はステップ4へ。同じ活動で全員に手応えを持たせられます。

各段階のポイント

ステップ1: 日本語メモ→英語

本文の流れを日本語の短いメモ(3〜4項目)にしておき、それを見ながら英語で語ります。まだ「思い出す」より「言い換える」段階。ここで詰まる生徒には、本文をもう一度読ませます。

ステップ2: 絵を見て

挿絵や、教師が用意した簡単な4コマ絵を手がかりに語ります。日本語という支えを外し、視覚情報だけにすることで、語順を自分で組む力が要求されます。

ステップ3: キーワードだけ

自分でキーワードを3〜5語選び(ここが指導のしどころ)、それだけを見て語ります。動詞を1語入れると語りやすくなるという助言が効きます。名詞だけ選ぶ生徒が多いので、そこを一言。

ステップ4: 無支援

何も見ずに語ります。完璧な再現でなくてよい、要点が自分の言葉で言えれば成功、と基準を伝えます。丸暗記の再生とは別物であることを、評価の観点で示します。

授業での回し方

1コマで全段階をやるのではなく、単元の本文学習の中で数時間かけて段階を上げます。ペアで交互に語り、聞き手はキーワードをメモする(聞く必然性を作る)と、活動が締まります。

本文の授業シリーズ

リテリングは本文の授業の総仕上げで、オーラル・イントロダクション→内容理解の発問→音読の後に置きます。汎用「本文パート攻略シート・中3版」のリテリング欄(キーワード3語+3段階チェック)は、この段階表のステップ3〜4を1枚に落とし込んだものです。語り直した内容をそのまま書けば、本文の要約ライティングにもつながります。

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